FUTURA OASIS 8 Fondaparinux Trial with Unfractionated Heparin during Revascularization in Acute Coronary Syndrome
フォンダパリヌクス投与下の非ST上昇型急性冠症候群患者において,PCI施行時補助療法としての未分画ヘパリン(UFH)の低用量と通常用量は,周術期における大出血+小出血+血管合併症の発生に有意差なし。
デザイン●二重盲検,ランダム化比較試験。
対 象●フォンダパリヌクス投与下の非ST上昇型急性冠症候群患者で,72時間以内にPCI施行予定の2,026例。
介 入●低用量UFH群では,PCI施行前にフォンダパリヌクス2.5mg/分,PCI施行後には非ACTガイド下において未分画ヘパリン50 U/kgを静注(GPIIb/IIIa阻害薬の有無にかかわらず)。通常用量UFH群では,PCI施行前にフォンダパリヌクス2.5mg/分,PCI施行後にはACTガイド下において未分画ヘパリン85 U/kgを静注(ただしGPIIb/IIIa阻害薬投与例は60 U/kg)
追 跡●30日。
一次エンドポイント(周術期[48時間以内]における大出血+小出血+大血管内投与部位の合併症)●累積発生率は低用量UFH群4.7%,通常用量UFH群5.8%で有意な群間差なし(OR 0.80,95%CI 0.54–1.19,P=0.27)。大出血に群間差はないものの,小出血は低用量UFH群で有意に少なかった(0.7% vs 1.7%,OR 0.40,95%CI 0.16–0.97,P=0.04)。なお,30日後までの周術期大出血+死亡+心筋梗塞+TVR(5.8% vs 3.9%,OR 1.51,95%CI 1.00–2.28,P=0.05),死亡+心筋梗塞+TVR(4.5% vs 2.9%,OR 1.58,95%CI 0.98–2.53,P=0.06)は低用量UFH群で多い傾向がみられた。ステント血栓症,カテーテル血栓症には有意な群間差なし。