Little氏にAHA2008終了後に電話でのインタビューにこたえてもらった |
■I-PRESERVE: 良好な血圧コントロールこそが有効■
拡張性心不全の予防,治療に対しては,血圧の管理が重要であり,もっともベストな薬剤はRA系抑制薬であると考えられ,I-PRESERVE試験が行われました。
その結果,イルベサルタンの追加投与がイベント抑制につながらないことが示されましたが,これは,すでに降圧治療により血圧が非常によくコントロールされていたためだと考えられます。つまり,血圧コントロールが良好であれば, ARBの追加投与の有無にかかわらず,イベントが抑制されるということです。くり返しますが,本試験で得られた最大の教訓は,「良好な血圧コントロールこそが有効」という点です。
したがって,拡張性心不全患者に対しわれわれが行うべきは,「血圧の厳格なコントロール」といえるでしょう。I-PRESERVEは拡張性不全という疾病への新たな理解を与えてくれたという意味で,非常に意義深い試験だったと思います。