ACC2009では,Late-breaking clinical trialsなどのオーラルセッションのほかにポスターセッションが設けられ,数多くの研究結果が発表された。動物実験から大規模臨床研究のサブ解析まで,その種類は多岐にわたる。ここでは,思わず足を止めてしまった興味深い調査結果について概要を紹介する。
トライアスロンでは水泳中の突然死に注意 |
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2006年~08年に米国で行われたトライアスロンの競技中,10万人に1.5人の割合で突然死が起こっていたことを,米国の調査チームが明らかにした。死亡率はマラソンの約2倍。
トライアスロンは,水泳,自転車,ランニングの3種の競技を連続して行うスポーツ。各競技の距離はレースによってさまざまだが,もっとも過酷なレースでは,水泳3.8km,自転車180km,ランニング42.195kmで早さを競う。競技人口は年々増え,米国のトライアスロン団体(USA triathlon membership)の登録数は,1993年の1万5千人から2007年の10万人に膨らんだ。
突然死の発生を競技別にみると,水泳中に突出しており(1.4/10万人),自転車中(0.1/10万人)やランニング中(0/10万人)は少ない(P<0.001)。意外にもレースによる水泳距離の違いは影響していなかった。発表者のKevin M Harris氏は,「水泳中に突然死が多い理由は不明」としつつも,「冷たい水による刺激が引き金となった可能性がある」と述べている。