Buxton氏にACC2009の会場で聞いた |
■ACTIVE A: 併用による脳卒中抑制効果はわずかながら,大出血リスクは増加■
抗血小板薬の併用(クロピドグレル+アスピリン)によって,アスピリン単剤よりも脳卒中リスクが低下し,出血リスクが増加するという今回の結果は,予想がつくものでした。ただし,併用群における脳卒中,およびその他の血栓塞栓イベントのリスク低下度がさほど大きくないのに対し,重篤な脳内出血リスクは2倍近くとなっています。併用療法を行う前には,他の治療と同様にリスクとベネフィットのバランスをよく考え,さらにワルファリンを超えるベネフィットが得られるのかどうか検討する必要があります。
また,ACTIVE Aの結果を解釈する際には,患者背景についてより詳しい情報が必要です。対象患者はなぜワルファリンに不適だったのでしょうか。それによって,今回の結果をどう応用できるかも変わってきます。
■PROTECT AF(左心耳閉鎖術): より大規模,長期間の試験での検討も必要■
左心耳閉鎖術は,ワルファリン治療をしていても塞栓の再発がみられた患者,ワルファリン不適応の患者などに対する代替的な治療になる可能性があり,たいへん興味深い結果だと思いました。しかし対象患者は800例に満たず,追跡期間も1年未満と,規模は決して大きくありません。この治療法について評価を下すには時期尚早であり,より大規模な試験で長期間の検討が必要だということもPROTECT AFからのメッセージではないでしょうか。