![]() Callans氏にACC2009の会場で聞いた |
■PROTECT AF: 登録研究からの知見をまつ必要がある■
PROTECT AFの結果には,すこし複雑な感想を抱いています。左心耳閉鎖術の有効性がはっきりと示されたわけではありませんし,対象となったのは低リスクの患者です。また,手技に関連した合併症の問題もあります。たとえば心房細動に対するアブレーション治療と薬物治療を比べたとき,有効性の点ではアブレーションのほうがはるかに優れています。しかし,リスクとベネフィットのバランスを判断するうえで,アブレーションには脳卒中や死亡といった重篤な合併症のリスクもあることを忘れてはいけません。
これと同じことがPROTECT AFでもいえると思います。たとえば,心膜液浸出のうち,命にかかわるものはどのくらいなのか。これは発表されたデータからだけではわかりません。
ワルファリンの代替療法が求められるなか,PROTECT AFにより左心耳閉鎖術がワルファリン治療と同等であることが示されたのはたしかです。しかし,CHADS2スコア2以上のリスクをもつ患者ではどうか,あるいはより長期間の観察でどうなるかはわかりません。とはいえ,高リスク患者でワルファリンの投与を中止することは倫理的に不可能ですから,その答えを新たな臨床試験に求めることはできません。現在進行中の登録研究のデータをまつ必要があるでしょう。
■ACTIVE A: 出血リスクの増加に懸念■
ACTIVE Aの結果で懸念されるのが,出血リスクの増加です。対象となった患者集団でクロピドグレルを使っても,リスクを上回るベネフィットが得られるかどうかは疑問です。ワルファリンをまったく使えない患者はそんなに多いのでしょうか。ワルファリンが使えない患者の場合,クロピドグレルやアスピリンも使えない可能性が高いと思います。
< 2022.5.16 >
〔ニュースリリース〕
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< 2022.4.28 >
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SGLT2 阻害薬の心保護作用とメカニズム(2022年4月号) [オープンアクセス]
< 2022.4.28 >
〔最新号紹介〕
THERAPEUTIC RESEARCH vol.43 no.4 2022
< 2022.4.11 >
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日本における慢性閉塞性肺疾患(COPD)—受診率および診断率を改善するには—(2022年3月号) [オープンアクセス]