Konstam氏にACC2009の会場で聞いた |
■LBCT III:デバイスを通して,心血管病の生理学,病態生理学も学ぶことができる■
merging Technologesに注目したセッションは,高血圧治療から心筋梗塞後,末期心不全まで含まれており,領域が多岐にわたります。われわれはセッションをとおして,これらの疾患に対するさまざまなアプローチをみることができました。新しいデバイス,あるいはその特異的な使用法を知ることで,心血管病の生理学および病態生理学についても同時に学べるため,こうしたセッションが開催されることは非常に意義深いと思います。それぞれ近い将来か,遠い将来かのちがいはありますが,いずれのデバイスや治療法も臨床適用される可能性を秘めていると思います。
■BL-1040:これまでのアプローチとはまったく違う■
BL-1040を冠動脈に注入すると,心筋のうち梗塞細胞のある部分にのみ到達し,そこに留まり,固まることで,梗塞心筋細胞を支える強化機能を果たすのです。
そして,心筋梗塞後に起こりうる,運動不良や心室リモデリングへの進展を予防します。前臨床データでは,BL-1040は心筋梗塞による有害な心リモデリングを抑制することが示されています。したがって,広範な心筋梗塞部位をもつ患者に対して有用なアプローチになるのではないかと期待しています。
BL-1040は,心筋梗塞後の患者に対する心不全への進展予防として,これまでのアプローチとはまったく異なるものです。臨床応用されるかどうかは,現時点ではまだわかりません。
※Marvin Konstam氏はLBCTs IIIに関するわれわれのインタビューに対し,「新たな循環補助システム:Synergy™Pocket Micro-pump」にとくに期待したい。そのほか「BL-1040の注入」,「腎臓の交感神経支配に対する高周波アブレーション」にも注目していると答えた。ここでは,試験概要を紹介したBL-1040のコメントのみを掲載した。
コメントにあたり,Marvin Konstam氏はBL-1040に関して,BioLineEx社のコンサルタントを務めていることを開示している。