世界的なパンデミックとなった心血管疾患の「予防」がテーマ |
ESC2009終了後にPinto氏にこたえてもらった |
バルセロナで開催された欧州心臓病学会(ESC)2009は,これまででもっとも多い約32,000人が各国から参加し,この分野における世界最大規模の学会として大成功をおさめました。演題も,70ヵ国以上から過去最多の約10,000の応募があり,うち約4,000演題が発表されました。日本からの投稿数および採用数は第5位でした。とてもうれしく思っています。
近年,心血管疾患は,先進国のみならず発展途上国でも死因の大きな割合を占めており,世界的な問題となってきています。同時に,心血管疾患の予防における研究は,ここ数年でめざましい発展を遂げています。スポットライト(学会のメインテーマ)として「予防: 細胞から人,社会まで」を掲げた本学会では,予防に関する約80ものセッションが行われ,研究者,臨床家,疫学者,看護師らが一堂に会して活発な議論が行われました。
また,最新の臨床試験結果が発表されるHot LineセッションはESCのハイライトの一つで,今回も数多くの重要な発表がありました。いずれも非常に興味深い結果で,臨床に大きなインパクトをもたらしたはずです。
ESC2010は,ストックホルムにて2010年8月28日~9月1日に開催されます。スポットライトは「冠動脈疾患: 遺伝子からアウトカムまで」です。