ISAR-CABG | Long-Term Outcomes after Use of Drug-Eluting Stents and Bare Metal Stents for the Treatment of Saphenous Vein Graft Lesions: Results of the Randomized ISAR-CABG Trial |
---|
伏在静脈グラフト閉塞に対し,薬剤溶出ステント(DES)はベアメタルステント(BMS)に比べ1年後の主要有害心イベント(MACE:死亡+心筋梗塞+虚血による標的血管血行再建術の複合)の発生を有意に抑制することが,ISAR-CABGの結果で示された。これはおもに,標的血管の再度の血行再建術の実施が少なかったことによる。
ISAR-CABG試験の対象者は,伏在静脈グラフトに50%以上の狭窄が認められた610例。うち36%が糖尿病を合併しており,56%が心筋梗塞既往であった。伏在静脈グラフトは内径3.37mm,長さ27mm(平均値)で,移植から13.5年が経過。DES(シロリムス,パクリタキセル,生体吸収型ポリマー・シロリムス)あるいはBMSを留置して1年後,一次エンドポイントであるMACE発生率はDES群で有意に少なく(15.4% vs 22.1%,相対リスク[RR]0.65,95%信頼区間[CI]0.45~0.96,P=0.03),標的血管の血行再建術施行率もDES群で有意に低かった(7.2% vs 13.1%,RR 0.52,95%CI 0.30~0.90,P=0.02)。ただし1年後の死亡,心筋梗塞,ステント血栓症に有意差なし。 発表者のJ. Mehilli氏は,DESによって再度の血行再建術を約50%減らすことができた点を強調した。