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[学会情報]米国心臓病学会(ACC)学術集会2011
(2011年4月3日~5日 in ニューオーリンズ)
編集部が選ぶ注目トライアル
Late-Breaking Clinical Trials II
<Late-Breaking Clinical Trials II>
STICH Surgical Treatment for Ischemic Heart Failure
虚血性心不全ではCABGが有用である可能性も:STICHの結果
エキスパートインタビューを読む: 虚血性心不全患者はCABGを受けるべき
CABGは虚血性心不全にも有効,ただし代償も伴う

虚血性心不全患者においてCABG+薬物療法は,薬物療法のみの場合と比較し30日後の死亡率が高く,6年後の死亡率にも有意差は得られないことが,STICH試験の結果によって示された。

STICH試験の対象者は,左室駆出率≦35%かつCABGに適した冠動脈疾患を有する1,212例。一次エンドポイントである6年後の全死亡に有意差は示されなかった(CABG+薬物療法群36% vs 薬物療法群41%,ハザード比0.86,95%信頼区間 0.72~1.04,P=0.12)。ただし,6年後までの心血管死亡率および全死亡+心血管疾患による入院の発生率は,CABG+薬物療法で有意に少ないことが示された。また,per-protocol解析では6年後までの全死亡率もCABG+薬物療法群のほうが低かったとし,発表者のEric J. Velazquez氏は,「虚血性心不全に対するCABGについての重要な知見である」と述べた。

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