PROTECTION AMI | Inhibition of δ-PROTEin kinase C for the reducTION of infarct size in Acute Myocardial Infarction |
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再灌流障害の抑制作用が期待された新規薬剤delcasertibは,急性前壁ST上昇型心筋梗塞によるPCI実施後の心筋梗塞サイズを縮小させる効果を示さないことがPROTECTION AMI(Phase IIb)の結果で明らかにされた。その他のバイオマーカーにもdelcasertibによる変化は示されていない。
PROTECTION AMIで検討されたdelcasertibは,δプロテインキナーゼC(PKC)を阻害するペプチド化合物である。δPKCは,再灌流時にミトコンドリアに移動し細胞のアポトーシスやネクローシスを促進させる機能をもつ。このため,δPKC阻害薬であるdelcasertibは,PCI実施後の虚血再灌流障害を予防し梗塞サイズを縮小させることが期待された。
PROTECTION AMIの対象者は,急性ST上昇型心筋梗塞で初めてPCIを実施する患者。前壁心筋梗塞患者911例は,プラセボ群,delcasertib 50mg/時群,150mg/時群,および450mg/時群に,下壁心筋梗塞患者155例はプラセボ群,delcasertib 450mg/時群にランダムに割付けられた。一次エンドポイントであるクレアチンキナーゼMB分画(CK-MB)曲線下面積(AUC)は,前壁心筋梗塞患者,下壁心筋梗塞患者ともに有意な群間差は認められなかった。また,二次エンドポイントで検討したCK-MBのピーク値,24時間心電図,臨床イベント,血清NT-pro-BNP,左室駆出率などにも有意な差はみられなかった。
< 2022.5.16 >
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