ホーム   >  学会レポート   >   2011年   >   ESC2011   > CREDO-Kyoto PCI/CABG registry Cohort-2:3枝病変患者ではPCIよりCABGのほうが長期予後が良好
[学会情報]欧州心臓病学会(ESC)学術集会2011
(2011年8月27日~8月31日 in パリ)
編集部が選ぶ注目トライアル
<Hot Line II>
CREDO-Kyoto
PCI/CABG registry
Cohort-2
Comparison of three-year outcome after PCI and CABG stratified by the SYNTAX score in patients with triple vessel coronary artery disease: an observation from the CREDO-Kyoto PCI/CABG registry Cohort-2
3枝病変患者ではPCIよりCABGのほうが長期予後が良好
エキスパートインタビューを読む: 米国では4人に3人がCABG

日本の26の医療機関が取り組むコホート研究CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-2にて,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)あるいは冠動脈バイパス術(CABG)が行われた3枝病変患者を追跡し3年後の予後を比較したところ,CABGはPCIに比べ全死亡+心筋梗塞+脳卒中の複合エンドポイント発生リスクが有意に低いことが示された。

過去に行われたSYNTAX試験の3年後の結果によると,3枝病変患者においてPCIはCABGに比べてイベント発症リスクが極めて高く,そのリスクはとくにSYNTAXスコアが高い症例で増大することが示された。ただし,この解析には検出力不足などの問題点が指摘されていたこともあり,今回のCREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort-2では,わが国の実臨床データに基づく長期転機の検証が行われた。

解析対象は登録症例15,263例のうち3枝病変患者2,981例。PCI群は1,825例,CABG群は1,156例,追跡期間は3年であった。一次エンドポイントである死亡+心筋梗塞+脳卒中の発生率は,PCI群でCABG群に比べて有意に高かった(18.3% vs 15.2%,調整後ハザード比[HR]1.47,95%信頼区間[CI]1.13~1.92,P=0.03)。二次エンドポイントとされた全死亡,心筋梗塞,血行再建術施行の発生率についても,PCI群はCABG群より有意に高かった。

また,対象患者のうちSYNTAXスコアの測定が可能であったPCI群1,792例,CABG群1,020例を対象に,SYNTAXスコアが低スコアの症例(<23;874例,257例),中間スコアの症例(≧23-<33;638例,388例),高スコアの症例(≧33;280例,375例)に層別化し比較したところ,一次エンドポイント発生率は,高スコアの症例でのみPCI群で有意に高かった(HR 1.68,95%CI 1.18~2.39,P=0.004)。しかし調整後のHRは低スコアの症例でCABG群に比べてPCI群で有意に高く(HR 1.66,95%CI 1.04~2.65,P=0.03),中間スコアの症例,高スコアの症例では有意差はみられなかった。

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