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[学会情報]欧州心臓病学会(ESC)学術集会2014
(2014年8月30日~9月3日 in バルセロナ)
BB-meta-HF Efficacy of beta-blockers in heart failure patients with atrial fibrillation: Individual patient meta-analysis from the Beta-blockers in Heart Failure Collaborative Group
心房細動を伴う心不全患者では,β遮断薬は標準治療薬とは言えない
【9月2日・バルセロナ】

心房細動と心不全はしばしば併存し,これにより相当の心血管疾患罹患および死亡がもたらされている。左室駆出率の低下した症候性心不全に対する薬物治療としてβ遮断薬はクラス1Aで適応とされているが,心房細動を合併する患者における有効性は確立していない。

そこでDipak Kotecha氏(Birmingham,英国)らは,心不全患者においてβ遮断薬とプラセボを比較した10件の大規模臨床試験から,洞調律13,946例(76.4%),心房細動3,066例(16.8%)を抽出。平均追跡期間1.5±1.1年における粗死亡率は洞調律で16.0%,心房細動で20.7%。洞調律でβ遮断薬を服用していた患者では全死亡率,心血管疾患による入院,心血管死亡率,心不全による入院の発生率が有意に抑制されていたが,心房細動患者では有意な効果は認められなかった(表)。

表 心不全患者におけるβ遮断薬群のプラセボ群と比較(メタ解析)
■洞調律患者 ハザード比 95%信頼区間 群間差
全死亡 0.73 0.67~0.80 P<0.001
心血管疾患による入院 0.78 0.73~0.83 P<0.001
■心房細動患者 ハザード比 95%信頼区間 群間差
全死亡 0.97 0.83~1.14 P=0.73
心血管疾患による入院 0.91 0.79~1.04 P=0.15

この結果は,他のレートコントロール薬よりも優先してβ遮断薬を選択することについて議論をもたらすものであり,増加している心不全+心房細動の合併例におけるさらなる試験の必要性を示している。

(同日Lancetに文献掲載)

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