ホーム   >  学会レポート   >   2017年   >   JSCTR2017   > 日本臨床試験学会第8回学術集会総会 IN大阪
[学会情報]
2017年1月27・28日
日本臨床試験学会第8回学術集会総会 IN大阪
会場

2017年1月27・28日,大阪国際会議場(グランキューブ大阪)において,日本臨床試験学会第8回学術集会総会IN大阪が開催された。会長は,国立循環器病研究センター臨床試験推進センターの山本晴子氏が務めた。

開会式で,山本氏が「プログラムを作成したのは1年前だが,データサイエンス関連の領域の進展が速いため,すでに古くなってはいないか」という懸念を述べたように,臨床試験・臨床研究を取り巻く状況は「激動」と表現されるほどの変革期にある。そして,この変革は,医療関連技術の急速な発達・多様化によりもたらされたものであるという。メインテーマに『多様化する医療に臨床研究は対応できるのか?!』が選択された理由もそこにある。「さまざまな角度から熱く議論できる“攻め”のプログラムを準備した」という山本氏の挨拶のとおり,有料参加者923人を含め約1000人が,大阪大学医学部附属病院のあった中之島に集まり,活発な議論を交わした。

プログラムは,会長講演,ランチョンセミナー,アフタヌーンセミナーのほか,5つのシンポジウムから構成された。変革の現状をふまえて,シンポジウム2「臨床研究法(案)および改正個人情報保護法が臨床研究の実施に与える影響」,シンポジウム3「臨床研究におけるモニタリング—指針改訂を受けての取組み—」,シンポジウム4「再生医療安全性確保法における法的・倫理的・科学的妥当性とこれからの課題」の3つが準備され,それら3つの前後に,シンポジウム1「Pragmatic clinical trialへの誘い(いざない)」,シンポジウム5「Statistical innovations and challenges in small clinical trials」が行われた。

photo:日本臨床試験学会第9回学術集会ポスター 特にpragmatic clinical trials(実務的臨床試験:PCTs)は,1967年に登場しているが,今世紀に入り欧米で再注目され,かなり普及しているという。第9回学術集会総会の会長である東北大学大学院医学系研究科医学統計学の山口拓洋氏によって,explanatory clinical trials(説明的臨床試験)との比較とともに,PCTsの役割が述べられた。また,シンポジウム5は4演題からなり,元米国FDA医療機器・放射線保健センター(CDRH)統計部長のGregory Campbell氏が「Statistical Innovations in Medical Device Clinical Trials」を,(独)医薬品医療機器総合機構の安藤友紀氏が「Recent Statistical Issues in New Drug and Device Review in PMDA」を講演した。さらに,イーライリリー株式会社の西山智氏,神戸大学医学部附属病院臨床研究推進センターの大森崇氏から,新薬とは異なる医療機器の臨床研究について示された。

なお,第8回学術集会の記録は,『薬理と治療』増刊2号(『日本臨床試験学会雑誌』第14号)に掲載される予定である。

▲このページの上へもどる