■ State of the Art
日本における臨床感染症診療を考える
■ Symposium
20回腎と脂質研究会
・一般演題
・ランチョンセミナー
・腎と脂質研究会報告
・教育講演
・一般演題
・イブニングセミナー
■ Review
Pleiotropic Effects of Sarpogrelate in Cardiovascular Diseases
■ 原著
Therapeutic Research は,医学・薬学の最新情報を提供する総合月刊誌です。国内外の最新エビデンス情報やオピニオン,各種シンポジウムの記録等を掲載しています。
今月号のトピック
● State of the Art
「日本における臨床感染症診療を考える」
岩田健太郎
(神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野)
かぜ,膀胱炎,インフルエンザなど感染症は身近な疾患であり,医療従事者にとっても感染症の合併は診療科にかかわらず避けられない問題です。著者は,「診療に従事する医療者であれば,感染症と無縁で生きていくことは不可能」であり,「すべての医療者がある程度の教育を受け,感染症診療を実践する必要がある」と表現しています。
本稿では,感染症の診療は予防接種と抗菌薬の開発により大きく進歩してきた一方で,日本における抗菌薬使用の実態や予防接種の運用に関する問題点が指摘されています。また,薬剤耐性菌増加や院内感染への対策が整備されつつあることも紹介しています。そのような現状をふまえて,感染症に対する理解を深めるための初期医学教育の重要性,現在の枠組みに捉われた思考停止に陥らずに臨床判断を行うための妥当性の検証が提唱されています。
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