■ State of the Art
高血圧臨床研究の動向2010
高血圧治療におけるβ遮断薬の再評価
■ Roundtable
進行期パーキンソン病の治療戦略
■ Symposium
第4回循環器病学の論点
■ Symposium
GERD研究会第14回学術集会
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今月号のトピック
● State of the art
高血圧臨床研究の動向2010
高血圧治療におけるβ遮断薬の再評価
築山 久一郎
(介護老人保健施設 葵の園・川崎)
β遮断薬は循環器疾患領域における評価は高く,汎用されている。しかし,降圧薬としての有用性に関する評価は現在もなお,論争中である。
降圧薬としての臨床評価上の問題点としては,(1)大規模臨床試験およびメタアナリシスにおいて心血管イベント抑制効果が他の降圧薬よりも劣るとする成績に加え,(2)代謝異常への悪影響,(3)中心動脈圧低下作用が他の降圧薬よりも少ないことがあげられている。さらに最近,介入試験のメタアナリシスにおいて,β遮断薬による心拍数減少が心イベントのリスクを上昇させると報告され,論争に拍車をかける引き金となった。
一方,最近の大規模臨床試験のメタアナリシスではβ遮断薬と新規降圧薬の心イベント抑制効果は同等とする報告もある。また,β遮断薬の効果は均一ではなく,血管拡張性β遮断薬は代謝面や循環動態上の効果が異なり,従来のβ遮断薬と同じクラスエフェクトとして取り扱えない可能性も指摘されている。
本稿では最近の臨床成績に基づいて,高血圧治療におけるβ遮断薬の再評価を試みる。
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