THERAPEUTIC RESEARCH On-line

■ Opinion
全身血管保護を考慮した治療戦略
—インスリン抵抗性を背景に—

■ Symposium
第12回肺高血圧症治療研究会

■ Review

■ 原　著

■ 症　例

Therapeutic Research は，医学・薬学の最新情報を提供する総合月刊誌です。国内外の最新エビデンス情報やオピニオン，各種シンポジウムの記録等を掲載しています。

今月号のトピック
● OPINION
全身血管保護を考慮した治療戦略
—インスリン抵抗性を背景に—
宇都宮 一典
（東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授）

近年，インスリン抵抗性は，多くの疾患と密接にかかわっていることが示されています。糖尿病の血管合併症には，心筋梗塞や閉塞性動脈硬化症（ASO）などの大血管症と，糖尿病性腎症をはじめとした細小血管症が存在しますが，それぞれの合併症は異なるメカニズムによって形成されると考えられていました。しかし最近，その共通病態としてインスリン抵抗性が存在することが明らかになってきました。

本稿では，インスリン抵抗性と関連する血管障害のメカニズムから，糖尿病性腎症，ASOに至るまで，全身血管保護のための包括的治療戦略について，東京慈恵会医科大学 宇都宮一典氏が考察しています。

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