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[最新号紹介]

THERAPEUTIC RESEARCH vol.34 no.3 2013

■ Roundtable
臨床課題を鑑みた高齢者糖尿病の治療戦略

■ Roundtable
造血幹細胞移植の話題
—ASH発表演題より—

■ Symposium
第60回日本心臓病学会学術集会ランチョンセミナー
見直される硝酸薬—基礎研究とガイドラインの両面から—

■ Symposium
第25回ニコランジル研究会

■ Review
ARBの特性から考える脳・心血管疾患予防
—降圧目標に王手をかける—

■ 原 著


Therapeutic Research は,医学・薬学の最新情報を提供する総合月刊誌です。国内外の最新エビデンス情報やオピニオン,各種シンポジウムの記録等を掲載しています。

今月号のトピック
● Symposium
第60回日本心臓病学会学術集会
ランチョンセミナー
「見直される硝酸薬—基礎研究とガイドラインの両面から—」

座長 吉村道博(東京慈恵会医科大学内科学講座循環器内科)
演者 東 幸仁(広島大学原爆放射線医科学研究所ゲノム障害医学研究センター)
小島 淳(熊本大学医学部附属病院高度医療開発センター心不全先端医療寄附講座)

2012年9月14日~16日に金沢で開催された第60回日本心臓病学会学術集会のランチョンセミナー(座長:吉村道博氏[東京慈恵会医科大学])では,「見直される硝酸薬—基礎研究とガイドラインの両面から—」をテーマとして2人の演者から講演が行われた。広島大学の東幸仁氏からは,「NOの新しい展開—硝酸薬とRhoキナーゼ」というタイトルで,硝酸薬の基礎のエビデンスが紹介された。Rhoキナーゼ(ROCK)活性の上昇は血管内皮機能障害を引き起こし,動脈硬化へとつながる。ROCK活性が高いと一酸化窒素(NO)産生が低下するため,ROCK活性を抑えるには外因性のNOを補充することが重要であるが,硝酸薬は強力なROCK阻害剤であり,それぞれの患者にあわせてうまく用いることで心血管疾患の治療戦略となることが示された。熊本大学の小島淳氏からは,「PCI 時代に硝酸薬は必要か?—心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(2011年改訂版)」と題して,ガイドラインでの硝酸薬の位置づけが解説された。日本循環器学会の『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン』では,これまで硝酸薬は「クラスⅢ」と位置づけられていたが, 2011年改訂版では「クラスⅡa」と大幅に位置づけが変更された。また現在のPCI 治療では薬剤溶出ステントが多く用いられ,ステント留置部位では再狭窄の頻度は低いが,留置していない部分に再狭窄が起こり心血管イベントにつながる場合があるため,PCI 留置後も硝酸薬やCa拮抗薬の投与を継続することが望ましいことが指摘された。


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