Therapeutic Research は,医学・薬学の最新情報を提供する総合月刊誌です。国内外の最新エビデンス情報やオピニオン,各種シンポジウムの記録等を掲載しています。
今月号のトピック
● Symposium
第12回リウマチ性疾患研究会
特別講演
抗リン脂質抗体研究の進歩
渥美達也(北海道大学大学院医学研究科 免疫・代謝内科学分野)
抗リン脂質抗体症候群(APS)は自己免疫血栓症として捉えられ,その臨床的な特徴として静脈血栓症のみならず動脈血栓を起こす疾患であり,抗リン脂質抗体という自己抗体の存在で定義されます。APSは原発性が約半数で,残りの半数は全身性エリテマトーデスに合併しています。
APSが膠原病の難治性病態と言われる理由として,臨床症状が脳梗塞あるいは肺塞栓という生命予後に直接かかわり,血栓の再発がきわめて多く,ステロイドや免疫抑制薬が無効であり,血小板減少症,横断性脊髄症などの特殊な神経症状を合併することが挙げられます。本稿では,筆者の長年にわたるAPS研究と日本人の疫学,測定意義,病態,治療について概説されています。
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