収縮機能が保持されているものの,拡張機能障害により心不全を呈する病態を拡張性心不全(拡張期不全)という。その成因として,一連のプロセス「高血圧→心肥大→拡張機能障害→心不全」がフラミンガム心臓研究から報告されている。しかし,これまで「心不全」といえば,収縮期不全(収縮性心不全)を指すことが多く,拡張性心不全については,あまり注目されてこなかった。そのため,その病態,治療については不明な部分が多く,診断,定義さえ曖昧な状況である。
一方で,種々の疫学研究からは,拡張性心不全は心不全患者の約半数を占めるとの報告があり,決してまれな疾患ではないことがわかる。
そこで,「拡張性心不全の病態と治療を考える」と題し,堀正二氏を司会に迎え,心不全のエキスパート,William H. Gaasch氏,小室一成氏を交え,これまでに得られた知見を整理しつつ,適切な治療の方向性について,討議していただいた。
本座談会は,2008年の米国心臓協会(AHA)学術集会中に行われ,そこで発表されたI-PRESERVE試験の結果についても触れ,拡張性心不全に関する最新の知見を網羅した内容となっている。
< 2023.11.29 >
〔トピックス〕
慢性腎臓病における骨粗鬆症の診断と治療(2023年11月号) [オープンアクセス]
< 2023.11.29 >
〔トピックス〕
二次出版 慢性閉塞性肺疾患の第一選択治療としてのLAMA/LABA*—エビデンスおよびガイドラインによる推奨事項の概要—(2023年11月号) [オープンアクセス]
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〔学会レポート〕
日本心不全学会が「血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関するステートメント2023年改訂版」を発表 —10年ぶりの改訂
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〔トピックス〕
Safety and tolerability of nintedanib in Japanese patients with progressive fibrosing interstitial lung diseases: first interim report of a 2-year post-marketing surveillance(2023年10月号) [オープンアクセス]
< 2023.10.31 >
〔最新号紹介〕
THERAPEUTIC RESEARCH vol.44 no.10 2023