米国食品医薬品局(FDA)は,2014年11月16日シカゴで開催されている米国心臓協会(AHA)2014におけるDAPT試験の発表をうけ,臨床試験の詳細な検証が行われていない現状においては,現在の処方を変更すべきではないとの声明を発表した。
AHA2014のLate Breaking Clinical Trials 01でDAPT(Dual Antiplatelet Therapy)試験が発表され,同日New England Journal of Medicine誌に掲載された。DAPT試験はデバイス・製薬の8企業と米国保険福祉(HHS)の資金により行われた試験であり,ステント留置後の至適DAPT期間を12か月と30か月で比較した。薬剤溶出ステント(DES)もしくはベアメタルステントを留置された1万例弱の患者を対象とし,アスピリンにチエノピリジン系抗血小板薬(クロピドグレルもしくはプラスグレル)を追加した併用療法を行っている。30か月DAPT群は12か月群に比してステント血栓症と心筋梗塞が少なかったが,非心臓関連死亡の増加をうけて,全死亡は30か月群で多かった。
FDAは,クロピドグレルやプラスグレルは,認可されている服用法に従えばベネフィットがリスクを上回ると考えられることから,患者がこれら薬剤の服用をやめるべきではないとした。また,医療者にも現時点において,処方変更すべきではないと述べている。
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