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[トピックス] OPINION
THERAPEUTIC RESEARCH vol.37 no.1 2016掲載
SPRINT試験を検証する
120mmHg未満を目指した厳格降圧のメリットは日本の実臨床に当てはめられるか?

米国心臓協会学術集会(AHA 2015)でSPRINT 試験の結果が公表された。結果は,収縮期血圧120mmHg 未満を目標とした厳格治療が,高リスク高血圧患者の心血管イベントを有意に抑制したというインパクトのあるものだった。約1万例という大規模かつ米国NIH主導による試験ということも相俟って,一般紙誌を交えたさまざまな報道が展開された。

ALLHAT試験をはじめ,NIHが実施した試験はその後の治療に大きな影響を与えているため,自ずと議論は現今のガイドラインとの整合性や改訂に向かいつつある。

ここでは,ガイドラインへの影響について性急な結論を求めるのではなく,本試験の評価と限界,課題などについて,専門家の視点から不明瞭部分に輪郭を与え,整理することを試みた。

「診察室血圧と診察室自動血圧(AOBP)をつなぐ研究が必要」
楽木 宏実(大阪大学大学院老年・腎臓内科学教授)

「一つの研究から結論を導くには限界がある」
島本 和明(札幌医科大学学長)

「SPRINTとACCORDはどうして食い違った結果になったのか?」
―主として統計学的観点からコメント―
折笠秀樹(富山大学大学院医学薬学研究部バイオ統計学・臨床疫学教授)

「私のこれまでの治療方針が裏づけられた試験」
Dan Jones, MD(University of Mississippi Medical Center)

「リスクスコアとの併用でより患者の利益が期待できる」
George Bakris, MD(Professor of Medicine Director, Comprehensive Hypertension Center University of Chicago)

「ガイドラインの改訂には時間が必要」
Patrick T. O'Gara, MD(Director, Clinical Cardiology Brigham and Women's Hospital Chairperson, ACC/AHA Task Force on Clinical Practice Guidelines)


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