JUPITER試験の新たな解析結果が,8月31日,欧州心臓病学会(ESC)2009(スペイン・バルセロナ)で発表された。
2008年11月に発表されたJUPITER試験は,17,802例を対象とした大規模ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験(追跡期間1.9年)。LDL-Cは正常もしくは低値だが,hr CRPが高値の男女を対象とし,クレストール®(ロスバスタチン)の心血管イベント一次予防効果を検討した。その結果,クレストール20mg/日群は,プラセボ群と比べ,心血管イベント発生リスクを44%減少させた。
今回,70歳以上の高齢者のサブグループ5,695人を対象として解析を行い,ロスバスタチン20mg/日群は,プラセボ群と比較し,心血管イベント発生リスクを39%減少させたことが示された。また,このサブグループでは,心筋梗塞・脳卒中・心血管死の複合リスク,心筋梗塞発症リスク,脳卒中の発症リスク,血行再建術および不安定狭心症による入院リスクも減少した。各評価項目におけるクレストールの治療効果は,70歳以上と70歳未満においてほぼ同様であった。
この結果を受け,アストラゼネカ株式会社はすでに2009年上半期にFDAに適応申請を提出した。日本国内でのロスバスタチンの適応症は高コレステロール血症,家族性高コレステロール血症で,最大用量は20mg/日。
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日本メドトロニック株式会社は,8月24日,医師,救急救命士,消防隊など,医療従事者や心肺蘇生専門家に向け,自動体外式除細動器(AED)「ライフパック1000」の販売を開始した。
「ライフパック1000」は,はじめての利用者にも簡単に操作できるよう,心電図波形や心肺蘇生法を文字やアニメーションで映し出す大画面ディスプレイを装備している。ユーザーニーズに即してカスタマイズでき,地域ごとに異なる心肺蘇生プロトコールに基づいた救命処置が可能だ。また,心臓マッサージ時間の極大化を支援する独自の技術「cprMAXテクノロジー」を搭載。心臓マッサージに割り当てる時間を従来から60%増加(同社比)させ,心肺蘇生の有効性をより高めている。さらに,救急車内だけでなく,航空機や船舶などのさまざまな使用条件下での使用に耐えうる堅牢性を特徴としており,2008年7月には,市販のAEDのなかで唯一,アメリカ国立航空宇宙局(NASA)の臨床使用評価テストを通過し,国際宇宙ステーションに設置された。
同社は2009年5月に機械式心肺人工蘇生器「LUCAS™心臓マッサージシステム」を販売開始しており,「ライフパック1000」と同製品を併せることにより,救急心肺蘇生現場において重要な早期除細動と連続した確実な心臓マッサージに同時に対応することが可能になると期待している。
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