[ニュースリリース] 
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発表日 2011年1月21日
経口直接トロンビン阻害薬「プラザキサ®カプセル」が国内で承認
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中と全身性塞栓症の発症抑制で適応

2011年1月21日,日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は,経口直接トロンビン阻害薬「プラザキサ®カプセル」(一般名:ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩,以下ダビガトラン)が,非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中と全身性塞栓症の発症抑制の適応で,日本での承認を取得したと発表した。

プラザキサ®は,日本では約半世紀ぶりに,心房細動患者における虚血性脳卒中と全身性塞栓症の発症抑制の適応で承認された経口抗凝固薬。プラザキサ®カプセル75mg(1回2カプセル,1日2回投与)と110mg(1回1カプセル,1日2回投与)の2つが発売となる。

日本での心房細動患者は約83万人と推定されている。その発症頻度は加齢に伴って増加し,心原性脳塞栓症につながることも少なくない。心原性脳塞栓症は予後が悪く,発症後1年以内に約半数が死亡するという疫学データが報告されており,その予防が重視されている。これまで,心房細動患者における脳卒中の予防には,おもにワルファリンが使用されてきたが,より使いやすい薬剤が待ち望まれていた。

非弁膜症性心房細動患者を対象とし,ダビガトランとワルファリンを比較したRE-LY試験では,ダビガトラン150mg 1日2回投与群はワルファリンよりも脳卒中と全身性塞栓症の発症を35%抑制させ,大出血のリスクは同等であった。また,ダビガトラン110mg 1日2回投与群は,ワルファリンと同等の有効性を示し,大出血のリスクはワルファリンよりも有意に低いことを示した。

またこの試験から,ダビガトランはプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)のモニタリングとそれに応じた用量調節が不要で,食物や他の薬剤との相互作用が起こりにくいことも示された。

このような試験結果から,ダビガトランは脳卒中予防に対する高い期待を受け,申請から10ヵ月での迅速な承認となった。日本ベーリンガーインゲルハイムのトーマス・クーナー氏は「プラザキサ®の適正な使用により,1例でも多くの心房細動患者で脳卒中発症を防げるよう,医薬情報活動に最善を尽くし,医師や医療関係者をサポートしていきたい」とコメントしている。

【ニュースソース・問い合わせ先】
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 広報部
Tel: 03-6417-2145
www.boehringer-ingelheim.co.jp

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