[ニュースリリース] 2015 No.47
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発表日 2015年7月31日
心臓MRIによる不安定プラークの検出は臨床応用可能
スタチン治療前後の評価により証明

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市,理事長:橋本信夫氏)の心臓血管内科グループと新古賀病院(福岡県久留米市)の共同研究チームは,心臓核磁気共鳴法(MRI)による不安定プラーク検出が可能であることをJ Am Coll Cardiol誌(2015; 66: 245-56)に報告した。

スタチン服用後にLDLコレステロールが低下した患者では,服用前と12ヵ月間服用後のMRI画像に顕著な差

今回,同研究グループは冠動脈疾患患者48例にピタバスタチンを12ヵ月間投与し(目標LDLコレステロール値<80mg/dL),服用前と服用12ヵ月後のMRI(1.5テスラ)による冠動脈プラーク撮影画像を,非服用例48例と比較した。その結果,服用群のうちLDLコレステロールが低下した患者群ではプラークの輝度は約19%低下していたのに対し,スタチン非服用群では19%上昇していたという。

急性心筋梗塞や不安定狭心症の多くは,不安定プラークの破綻により発生した血栓が原因で発症する。通常,冠動脈CT(コンピューター断層撮影)による診断が行われているが,被曝や造影剤の副作用リスクがあるため,新しい検査法の開発が望まれていた。

図1 ピタバスタチン非服用群での試験開始時と12ヵ月間後のプラーク輝度の変化 ピタバスタチン非服用例では,開始時(図A, B)には認められなかった白く輝くプラークが12ヵ月後に新たに出現(図E, Fの矢印)。輝度は0.92(図A)から1.35まで(図E)増加した。
図1
図2 ピタバスタチン服用前および服用12ヵ月後のプラーク輝度の変化 ピタバスタチン服用例では,服用前(図A)と服用12ヵ月後(図C)で,白色の輝度値1.68から1.08まで低下した。
図2

【ニュースソース・問い合わせ先】
国立循環器病研究センター
Tel: 06-6833-5012
http://www.ncvc.go.jp/pr/release/post_9.html

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