心不全患者に新たな希望
EMPHASIS-HF試験は,先行して行われたRALES試験およびEPHESUS試験の後続試験として実施された。これらの結果から,エプレレノンは軽症〜重症までのすべての心不全患者に有用であることが示され,エプレレノンはもはや"boutique drug"的な存在ではなくなった。臨床応用に向けての課題としては,高カリウム血症の適切なモニタリングについてのさらなる情報が必要である。いずれにせよ本試験の結果は,心不全患者に新たな一日,新たな希望を与えたといえるだろう。
<→EMPHASIS-HF:
NYHA II度の慢性心不全患者におけるエプレレノンとプラセボの死亡または心不全入院に対する効果の比較>
Profile: Dr. Peter Liu
Professor of Medicine and Physiology, University of Toronto
Peter Munk Cardiac Centre, Toronto General Hospital, University Health Network
Toronto, Canada
Liu氏は,カナダにおけるガイドライン作成グループC-CHANGE(Canadian Cardiovascular Harmonized Guideline Endeavour)にてディレクターとして参加し,国際心臓連合の国際心筋症・心不全学会の会長を務めている。