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[トピックス] 
変わる心不全の薬物治療〜エキスパートが解説
 

 心不全の薬物治療が大きく変わろうとしている。2019年に過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネル阻害薬のイバブラジン,2020年にアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)のサクビトリルバルサルタンが新規に発売され,さらに糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬のダパグリフロジンが同年に慢性心不全の効能追加を取得した。それらに続き,可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬のベルイシグアトも間もなく承認される見込みである。

 これら作用機序の異なる薬剤の登場により治療の選択肢は大きく増えるが,一方で臨床現場では,従来の標準治療薬に加え,これらの新薬をどう使い分けたらよいか迷う場面もあるだろう。そこで本特集では,4名の心不全治療のエキスパートが新薬の特徴,適切な使用法,使用上の注意点などをわかりやすく解説する。

桑原宏一郎(信州大学医学部循環器内科)

付表 わが国で慢性心不全の治療に用いられる新規治療薬と従来の標準治療薬 

はじめに/利尿薬,ジギタリス製剤,経口強心薬/イソソルビド,ヒドララジン/ACE阻害薬/ARB/β遮断薬/MRA/新規心不全治療薬の登場

佐野元昭(慶應義塾大学医学部循環器内科)

はじめに/作用機序[イバブラジンによる徐拍化は心機能にどのような影響を及ぼすのか?]/主要な臨床試験成績[SHIFT試験|J-SHIF試験]/使用における注意点[光視症]/用法・用量/こんな患者が適している/まとめ

桑原宏一郎(信州大学医学部循環器内科)

開発の経緯と作用機序[心不全に関与する液性因子|ネプリライシン阻害とRAA系阻害|アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)]/臨床試験成績[PARAMOUNT|PARADIGM-HF|PARAGON-HF|PARALLEL-HF]/注意点/用法・用量/このような患者が適している

江尻健太郎(岡山大学病院循環器内科)

はじめに[開発の経緯および歴史|心不全治療薬としての期待|エンパグリフロジン|カナグリフロジン,ダパグリフロジン]/作用機序[心腎連関を介した心不全抑制作用]/主要な臨床試験成績[2型糖尿病患者を対象とした第III相臨床試験|HFrEF患者を対象とした大規模臨床試験]/使用における注意点/用法・用量/こんな患者が適している/まとめ

田中寿一(東京慈恵会医科大学循環器内科)

はじめに[薬剤開発の背景と経緯]/作用機序/VICTORIA試験/使用における注意点/用法・用量/本薬剤に対する期待/まとめ

Therapeutic Research 2021年3月号に掲載)

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