Therapeutic Research は,医学・薬学の最新情報を提供する総合月刊誌です。
国内外の最新エビデンス情報やオピニオン,各種シンポジウムの記録等を掲載しています。
今月号のトピック
● TOPICS
日本医学会連合TEAM事業
加齢性難聴の啓発に基づく健康寿命延伸事業セミナー
多領域の専門家が挑む加齢性難聴とその社会的課題
-Healthy Agingと認知症対策における聴こえの役割-
1 加齢性難聴対策を介した共生社会の実現への取り組み
和佐野浩一郎(東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
2 言語聴覚士による加齢性難聴対策
「加齢性難聴の正しい理解と対応に関する普及啓発の取り組み」について
-宮城県における取り組み-
佐藤剛史(東北大学耳鼻咽喉・頭頸部外科,東北大学難聴地域医療学/日本言語聴覚士協会)
3 加齢性難聴と認知症
下畑享良(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野)
4 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が取り組む「聴こえ8030運動」
羽藤直人(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 理事/愛媛大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
加齢性難聴はコミュニケーションの低下のみならず社会的孤立を引き起こし,認知症やうつ病のリスクであり,高齢になっても聴力を保つことは重要です。しかし,加齢性難聴が疾病であるとの認識が不足しており,難聴の自覚があっても耳鼻科を受診する人は4割弱となっています。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は,“80歳で30dBの(補聴)聴力を保つ”をコンセプトとした「聴こえ8030運動」を通して聴力保持や受診率向上について啓発活動を行っています。また,2023年度より加齢性難聴の啓発に基づく健康寿命延伸事業が日本医学会連合のTEAM事業に採択され,日本医学会連合加盟7学会と日本言語聴覚士協会と連携し,加齢性難聴の早期発見と適切な介入による健康寿命延伸を目指し,さらに活動を強化しています。
本稿では加齢性難聴および認知症を中心に,啓発事業における各領域の取り組みについて紹介しています。
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