[学会情報]米国心臓病学会(ACC)2009
Brief interview
ACC次期会長Bove氏にACCとi2 Summitを聞く
interview with Alfred A. Bove, M.D., Ph.D., F.A.C.C.


Alfred A. Bove, M.D., Ph.D., F.A.C.C.
Bove氏にACC2009会場でインタビューにこたえてもらった
なぜi2 Summitが開催されるようになったのか
 ACCはメンバーや心血管領域に携わる人々の教育的ニーズに応えられるように常に努力し続けています。ACCの学術集会に関しても同様で,学術集会の参加者からの調査などをもとに,よりよいものへと改革を続けています。
 約8年前に “interventional cardiologists” から「インターベンションに特化したセッションを増やすべき」との意見がありました。デバイスや技術が急成長を遂げ,多くの心血管領域の専門家たちがこの領域に流れていっていたからです。ACCの理事会では,この現象を受け止め,ACCの学術集会プログラムにi2 Summit (Innovation in Intervention) を追加することにしました。初年度のi2 Summitは日曜日,しかも半日間のみでしたが,それが徐々に増えていき,今年は4日間になりました。
 患者によりよい治療を提供するために, “interventional cardiologists”と “general cardiologists” が話し合いの場をもつことが非常に重要です。そこで,一般セッションにおいては “interventional cardiologists” が心臓血管に関する一般的な教育を, “general cardiologists” がインターベンション領域に関する教育を受けることができるような “cross-education” を行う場を設けています。

2009年のLate Breaking Clinical Trials(LBCTs)の特徴
 薬剤やデバイスに関する試験が増え,それと同時にLBCTsの投稿数が増加したため,LBCTsの採用件数を増やし,多くの研究発表がなされるようになりました。そのため「心不全」「脂質/高血圧」などの分類を行うことにしました。(表)また,LBCTs IIIでは,最新の治療,テクノロジーについて発表する “Emerging Technologies” を取り上げています。これは研究の早期段階,さらにはその先行きに対する専門家の関心に応えるためです。そこで互いに学び合い,他の専門家のアイデアを得ることによって,さらに新しいアイデアが生まれることでしょう。

ACC 2009のLBCTのトピックス
Late-Breaking Clinical Trials I:Congestive Heart Failure
Late-Breaking Clinical Trials II:Atherosclerosis, Imaging and other Topics
Late-Breaking Clinical Trials III:Emerging Technologies
Late-Breaking Clinical Trials IV:Acute Myocardial Infarction
Late-Breaking Clinical Trials V:Lipids and Hypertension
Late-Breaking Clinical Trials VI:Arrhythmias/CHF


Profile
Alfred A. Bove, MD
Professor Emeritus of Medicine in the Department of Medicine, Section of Cardiology
Cardiovascular Research Center at the Temple University School of Medicine
ACCの次期会長をつとめるBove氏の専門は心臓一般。研究テーマは心不全,心移植のほか,スポーツ医学,潜水医学,高圧医学。最近では慢性心臓疾患の管理のための医療情報システムの構築に関する研究を行っている。