2009年8月30日,欧州心臓病学会(ESC:European Society of Cardiology)において,臨床試験『CURRENT-OASIS 7』の初期の結果が発表された。
CURRENT-OASIS 7では,経皮的冠動脈形成術(PCI)施行予定の急性冠症候群(ACS)の対象において,クロピドグレルのわが国で承認済みの標準用量*と高用量処方**の有効性と安全性が比較された。
*承認済み標準用量処方:1日目 300mg,2〜30日目 75mg
**高用量処方:1日目 600mg,2〜7日目 150mg,8〜30日目 75mg
その結果,複合一次エンドポイント(30日目までの心血管系イベントに基づく死亡,心筋梗塞,脳卒中)発生率について,被験者全体(PCI施行者:70%,PCI非施行者:30%)では,高用量処方群と標準用量処方群で統計的有意差はみられなかった[4.2%対4.4%,ハザード比(HR)0.95,p=0.37]。
一方,PCI施行者のサブグループでは,高用量処方群のほうが標準用量処方群よりも予後が改善し,複合一次エンドポイントの相対リスクは15%減少(4.5%対3.9%,p=0.037),ステント血栓症の相対リスクは42%減少した(1.2%対0.7%,p=0.001)。
安全性の一次エンドポイントである出血については,被験者全体(高用量処方群2.5%対標準用量処方群2.0%,HR 1.25,p=0.01),PCI施行者のサブグループ(1.6%対1.1%,HR 1.44,p=0.006)のいずれも,高用量処方群のほうが標準用量処方群よりも有意に高い数値を示した。頭蓋内出血や致死的出血については,被験者全体でもPCI施行者のサブグループでも,両群に統計的有意差はみられなかった。
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日本循環器学会学術委員会では,毎年4月上旬に「Translational Research振興事業」として支援対象となる研究を募集する。海外に先駆けたデータ発信を目指すもので,公的資金導入のための支援策にもなるような,先端医療研究拠点設置なども学会主導で進めたい考えだ。
■対象分野
(1)循環器領域における最先端の基礎的研究で,臨床応用にあと一歩の段階にある独創的な研究。
(2)実用化直前にある循環器領域のTranslational Researchで本振興事業による助成終了時に実用化の目途が立つことが期待される研究。
いずれも,大学,研究機関,医療機関の横断的・共同研究を原則としている。
■活動期間および採択件数
1件あたり4000万円を3年間で助成(初年度:2000万円。2,3年度:1000万円)。
第1回目の2009年度は「ヒトiPS細胞由来心筋樹立による家族性突然死症候群の病態解明と治療法の確立(研究代表者:福田恵一,慶應義塾大学医学部再生医学教室)」が支援対象として採択された。
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No.17 – 2010: 「「アマリール®」が小児2型糖尿病患者にも使用可能に」ほか
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[トピックス] 脳卒中の予防啓発活動の重要性
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