2009年12月10日,サンアントニオ乳癌シンポジウムにおいて,進行再発乳癌患者を対象とした無作為化二重盲検試験CONFIRM(Comparison of Faslodex in Recurrent or Metastatic Breast Cancer)の結果が初めて発表された。
進行再発乳癌は治癒がきわめて困難であるため,治療のおもな目的は病勢の進行を抑制し,生活の質を維持することとなる。治療薬として,エストロゲン受容体に結合してその作用を抑制するタモキシフェンが知られているが,フルベストラントは,タモキシフェンよりもエストロゲン受容体への親和性が高いなどの特徴を有し,より効果的にエストロゲンの作用を抑制するとされている。
CONFIRM試験において,フルベストラント500mg群に割付けられた閉経後ホルモン感受性進行再発乳癌患者(362例)では,250mg群(374例)に比べて病勢進行リスク(無増悪期間により評価)が20%有意に低いことが示された(ハザード比0.80,95%信頼区間0.68〜0.94,P=0.006)。また,試験開始から1年後に進行がなく生存している割合は,500mg群で34%,250mg群で25%だった。
主席研究者のDi Leo氏(Hospital of Prato,イタリア)は,「フルベストラントの増量によってエストロゲン受容体のダウンレギュレーション* がいっそう促進され,病勢コントロール延長につながった可能性がある。フルベストラント500mgは,医師にとって進行再発乳癌のコントロールのための新しい効果的な選択肢になると考えられる」とコメントした。
* エストロゲン受容体の数を減少させる効果
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