[学会情報]米国心臓協会学術集会(AHA)2008
Breif interview
AHAプログラム委員長 Tomaselli氏にLBCTを聞く
interview with Gordon F. Tomaselli, M.D., FAHA

Gordon F. Tomaselli, M.D., FAHA
Tomaselli氏にAHA2008の会場で聞いた

■AHAでの発表はまさに“Late-Breaking”■

今回のLBCTには60のトライアルの応募があり,そのなかから16のトライアルが選ばれました。 すべてのトライアルは学術集会プログラム委員会の小委員会でレビューされています。この小委員会には学術集会プログラム委員会の議長,副議長と臨床試験の評価のエキスパートが入っています。

LBCTとされるのはインパクトの強い,すなわちその結果が,実地臨床に強い影響を与えると考えられるトライアルです。つまり(1)心血管病の多くの人に影響する,なんらかの治療戦略を検討していること,(2)あまり一般的ではない心血管病でも治療方法が限られているもの,(3)重要な観察研究です。

通常,LBCTに選定された時点では,そのトライアルの結果は得られていません。LBCTへの応募期限が6月末である一方,トライアルの終了が夏であることが多いためです。ですから,AHAでの発表はまさに”Late-Breaking”なのです。AHAのはじまる間際に最初の解析が終わるのでまさにホットニュースといえるのです。

小委員会でLBCTを選定する際には,同時に登壇する指定討論者,パネリストも決定します。

最近は,多くのトライアルが“ネガティブ”な結果となります。薬剤が新しいベネフィット,効果をもたらすかを調べているからです。しかし,ネガティブトライアルは興味深く,重要なものです。それによって,新たな仮説が作られたり,二次エンドポイントの結果が興味深かったり,新たなことを考えさせてくれる刺激になるからです。

Profile
Gordon F. Tomaselli, MD
Professor of Medicine in the Division of Cardiology & Molecular Medicine at the Johns Hopkins University School of Medicine
AHAの学術集会プログラム委員長をつとめるTomaselli氏の専門は臨床電気生理学。心臓電気生理,不整脈の臨床研究のほか,基礎領域ではイオンチャネルの構造と機能の研究,ヒト不全心における分子的な変化を研究している。

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